発生部位とおもな症状・特徴
・中枢神経型:下半身麻痺など。
・鼻腔・眼窩型:呼吸困難、鼻汁、鼻出血、顔面変形など。
・前縦隔型(胸腺・縦隔・肺):呼吸困難、嘔吐、嚥下困難など。
・皮膚型:強いかゆみ、脱毛、皮膚の硬化、潰瘍、丘疹など。
・多中心型(下あご・首元・脇の下・鼠径部・膝裏):体表リンパ節の腫れ、嘔吐、下痢など。
・消化器型:嘔吐・下痢など。一般的な消化器症状と似ているため診断が難しい。
・腎臓型:沈うつ、多飲多尿など急性腎臓病に似た症状が出る。
猫のリンパ腫で発症頻度が高いのは消化器型。前縦隔型は、猫免疫不全ウイルス陽性の若年猫で発症するケースが数多く報告されています。
リンパ腫は定期健診で早期発見を
予防法のないリンパ腫から猫を守るためには、早期発見・早期治療しかありません。
日ごろから猫の体調に気を配り、体にしこりがあったり、気になる症状があったりしたら、すぐに動物病院で受診しましょう。定期的な健康診断も必ず行ってください。
また、前述の特定のウイルスに感染した猫がリンパ腫にかかりやすいことを考えると、完全室内飼育を徹底し、感染や発症のリスクを抑えることも大切です。
猫に多く見られるリンパ腫。病気の特徴を把握し、愛猫と一日でも長く一緒にいられるようにしたいですね。
お話を伺った先生/重本仁先生(王子ペットクリニック院長)
参考/「ねこのきもち」2024年2月号『一番多いがん もしも愛猫がリンパ腫にかかったら……』
文/田山郁
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。