猫が「トラウマ」になりやすい出来事や人の行動とは? 恐怖を感じているときに、飼い主さんがすべきこと|獣医師解説

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猫は警戒心が強く繊細な動物ゆえに、なにか嫌なことや怖いことが起こるとトラウマになってしまうことがあるようです。
この記事では、猫がトラウマになりやすい出来事や人の行動について、ねこのきもち獣医師相談室の山口みき先生が解説。猫がトラウマを抱えているときに、飼い主さんができる対策や工夫についても取り上げます。続きを読む -
猫がトラウマになりやすい「人の行動」や「出来事」とは?
猫は大きな音、見慣れないものやニオイ、突然触られる、近づかれることに恐怖心を抱きます。これらに限らず、猫が怖いと思ったことはすべてトラウマになる可能性があります。
たとえば、猫がトイレをしていたときに、近くで大きな音がして恐怖心を抱いたとします。結果、猫はトイレに嫌悪感を抱き、そこで排泄をしなくなることがあります。
また、しっぽを踏まれて突然の痛みから恐怖を感じたとき、踏んだ相手ではなく、その瞬間に視界にいた相手に対して恐怖心を抱き、それ以降、その人に対して攻撃的になることがあります。
理由は、猫が本能的に警戒心が強く繊細な動物であることです。猫は本来単独で生きていき、強い縄張り意識を持つため、自分を守る本能を強く持っているので警戒心が強いのです。
そして、恐怖とその原因を判断して結びつけるのではなく、恐怖を感じたときに見えたものや場所を結びつけることがあります。一度恐怖と結びついてしまった物事は、猫自身で解決できません。続きを読む -
なにか嫌なことや怖いことが起こったとき、トラウマになりやすい猫の傾向はある?
前述のとおり、猫は本来警戒心が強く繊細な動物です。そのため、すべての猫がトラウマになりやすい傾向があるといえるかもしれません。
その中でも、日ごろから怖がったりする様子や、イライラしやすい様子があれば、とくに配慮してあげましょう。また、加齢や病気がきっかけとなり、恐怖心を抱きやすくなることもあります。「うちのコはこういう性格」と決めつけず、愛猫の変化にも心を配ってあげてください。続きを読む -
トラウマを抱えてしまった猫に対して、飼い主さんができることとは?
猫が怖い経験をしてトラウマになってしまった場合、絶対に必要なのは猫の安全場所の確保です。生活している以上は恐怖から完全に回避できる保障はできませんから、なにかあったときに猫が逃げ込める場所を確保してあげてください。部屋ごとに1つ以上あるのが理想です。
そして、恐怖心を抱くものを猫から引き離し、接触することを避けましょう。それが家族や同居猫であっても、まずは距離を取ってください。
ひとたび抱いた恐怖心は、怖い経験をくりかえすほど強くなり、それに伴う攻撃やストレス行動も高まります。また、恐怖の対象が広がっていくこともあります。そうなるとこじれてしまい、回復が難しくなります。猫自身も日常的にストレスを抱えて、生活しづらくなります。膀胱炎などストレスによる病気を引き起こすことも心配です。それを防ぐために、できるだけ恐怖から遠ざけてあげることが必要です。
そのほかに飼い主さんができることとしては、猫がリラックスしているときに遊んで発散させたり、遊び空間を作って猫が暮らしやすい環境になるよう工夫してみるのもよいでしょう。続きを読む -
猫のトラウマが解消されないときは、どうしたらいい?
上記で取り上げたような工夫や対策をしても、なかなか猫のトラウマが解消されないこともあるでしょう。落ち着いていく様子が見られず、イライラやストレスが悪化していく場合は専門家に相談してください。とくに飼い主さんやほかの猫への攻撃が見られる場合、早期に介入したほうがよいでしょう。
トラウマを抱えている時点で、猫は生活しづらくなっていますし、攻撃が悪化したり、恐怖の対象が広がっていく可能性もあります。こういった問題を解決するのは、行動診療科です。
行動診療は一般の動物病院には浸透していない分野でもあります。かかりつけ医がそうでない場合は、行動診療をしている獣医師に相談することをおすすめします。(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・山口みき先生)
取材・文/柴田おまめ
※写真は「ねこのきもちアプリ」で投稿されたものです
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
※記事の内容は2025年3月時点の情報です。続きを読む - 記事一覧に戻る