ある日突然発症することも 見逃したくない!猫の「呼吸の異常」

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猫の呼吸に関する異常は、何の前触れもなく突然起こることがあります。じっと観察をしないと気付かないこともあるうえ、気付いたときには症状が悪化して危険な状態になっているケースも。
そこで今回は、もしものときに早く気付くことができるように、猫の「呼吸の異常」について獣医師の小林清佳先生にお話を伺いました。続きを読む -
「いつもと違う」は受診の目安
猫の呼吸に異常が起きる原因は、酸素欠乏や体温の上昇、強いストレスなどさまざまです。
必ずしも病的なもので起こるとは限らないものの、猫は呼吸の異常すらもギリギリまで隠そうとする動物。怖い病気が隠れていることが多いので、愛猫の呼吸がいつもと違うと感じたら、すぐに受診することをおすすめします。続きを読む -
呼吸の異常サイン4つ
猫の呼吸の異常に気付くためには、どのような状態が「異常」なのか知っておく必要があるでしょう。以下のような様子が見られたら油断は禁物。すぐに受診するようにしましょう。
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呼吸が速い、浅い
呼吸が速く浅くなっているのは、何らかの原因で肺の中に酸素を取り込むスペースが小さくなっていることが考えられます。
おなかが上下するのを1回とし、猫が安静にしているときの呼吸回数は、1分間に20~40回が正常で、60回を超えるとかなり速いとされています。呼吸の異常にすぐ気付けるように、愛猫が元気なときに、1分間の呼吸数を計って記録しておきましょう。続きを読む -
おなかを大きく動かして深く呼吸をしている
呼吸の速さはゆっくりでも、おなかを大きく動かして深い呼吸を繰り返している場合は注意が必要です。これは、何らかの原因で酸素を取り込む気道が狭くなっていて、力を入れて空気を吸い込もうとしていると考えられます。
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呼吸のたびに鼻をひくひくさせ続けている
通常、猫が鼻をひくひくさせるのはニオイをかぐしぐさ。しかし、安静にしているのにも関わらず、ずっと鼻がひくひくしているのは、呼吸が苦しいサインです。
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口を開けて呼吸している
人や犬と違い、猫は鼻で呼吸をする動物。激しい運動のあとだとしても、そうそう口での呼吸は見られません。そんな猫が口で呼吸をしている場合は、非常に苦しく、危険な状態だと考えていいでしょう。
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呼吸の異常で疑われる病気5つ
呼吸の異常で疑われる猫の病気は、主に以下のとおりです。
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猫ぜん息
猫ぜん息とは、気道がアレルギー反応を起こして腫れたり炎症が起きたりして、呼吸の異常を引き起こす病気です。発作が起きると、ヒューヒュー、ゼイゼイなど苦しそうな呼吸音がするほか、口を開けて苦しそうに呼吸をするなどの症状があらわれます。
猫カゼ
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猫カゼとは、特定のウイルスや細菌に感染して引き起こされる病気で、くしゃみや鼻水、目ヤニや発熱、食欲や元気がなくなるなどの症状があらわれます。猫の鼻の穴は小さいため鼻水がつまりやすく、猫カゼにかかると呼吸が速くなったり、口を開けて呼吸をしたりすることが。
心筋症
心筋症になると、血液を送り出す機能が低下して血液が心臓に溜まり、肺水腫や胸水の貯留などが引き起こされます。その結果、呼吸に異常があらわれることがあるのです。
肺腫瘍
肺腫瘍は、その名のとおり肺にできる腫瘍のことで、悪性の場合は肺がんと呼ばれる病気です。肺腫瘍になると肺の機能が低下し、たとえ良性だったとしても呼吸器に症状があらわれることがあります。
熱中症
猫が熱中症になると、体の熱を下げるために口を開けて呼吸をしたり、速く呼吸をしたりすることがあります。また、熱中症は夏の暑い時期だけでなく、冬場でも暖房の環境下で発症することがあるので、油断は禁物です。
愛猫の呼吸の異常に気付けるのは、毎日近くでお世話をしている飼い主さんだけです。愛猫の呼吸に違和感を覚えたら、速やかに動物病院を受診するようにしてください。
動物病院に連れて行くとそのことによって呼吸が速くなる猫もいるので、呼吸の異変を感じたらその様子を動画で撮影し、受診時に獣医師に見せるとよいでしょう。お話を伺った先生/小林清佳先生(モノカどうぶつ病院院長)
参考/「ねこのきもち」2025年2月号『スタッフも体験 ある日突然発症することも。 見逃したくない 呼吸の異常』
文/東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。続きを読む - 記事一覧に戻る