病気が隠れている場合も!? 猫のストレスサインを専門家に聞いた
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猫にとってストレスは、体の不調の原因のひとつ。愛猫の健康のためには、できるだけ早くストレスサインに気付いてあげることが大切です。そこで今回は、4つの猫のストレスサインを取り上げ、猫の問題行動を研究している愛玩動物看護師の小野寺温先生に詳しく解説していただきました。
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粗相(そそう)が増える
トイレ環境や猫同士の関係性などで何らかのストレスを感じていると、猫はトイレに行けないような状態が続きます。こうした緊張状態のなか、ふとやわらかい布団やラグ、紙の上などにのると、猫はホッとしてオシッコをしてしまうことが。
猫が一度粗相をすると、キレイにしてもその場所にニオイがついているため、粗相を繰り返してしまうこともあります。続きを読む -
病気が隠れていることも
粗相が増えるときは、腎臓病が原因の場合も。腎臓は体内の老廃物をろ過してオシッコとして体外に排出する働きをしますが、その機能が低下すると体内に毒素がたまってオシッコが薄くなり、トイレへ行く回数が増えるといった症状が見られます。こうした頻尿によるストレスや、トイレに間に合わないことが、粗相につながってしまうケースが。そのほか、尿路結石、膀胱炎などの病気が隠れている可能性も考えられます。
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食欲が落ちる
単独行動をする猫にとって、命を守ることは最優先事項。そのため、エネルギー不足になってでも、安全確保のために食事を後回しにすることがあります。
これは、室内で暮らす猫にもいえることで、来客があるときや食事環境などにストレスを感じていると、ゴハンを食べなくなることが。1日の食事量のうち1食分の量を残すなど、大きな食欲減退の様子が見られたら、ストレスサインの可能性があるでしょう。続きを読む -
こんな猫は要注意
食べることに貪欲な猫は、多少ストレスを感じても食事をとろうとしますが、もともと食に執着がない猫やシニア猫は、ストレスを感じると食事を諦めてしまいがち。ほかの猫より食欲減退がストレスサインとして見られる傾向があります。
猫の食欲が落ちているときは、口内炎や糖尿病、ウイルス感染症などの疑いもあります。
・口内炎
口内に炎症が起きる病気。ストレスで免疫力が下がり、感染症になることで発症する場合も。炎症の痛みから食欲が減ることもあるため、ストレスサインと見分けるのは難しいですが、口内炎の場合は口臭などの症状も見られます。
・糖尿病
インスリンの働きが悪くなることで血糖値が上がり、臓器に障害が起きる病気。ストレスが直接の発症原因にはなりませんが、長期的なストレスはインスリンの働きを悪化させ、食欲減退を引き起こすことも。
・ウイルス感染症
猫カリシウイルス感染症や猫白血病ウイルス感染症などは、食欲が落ちることも多い病気。ストレスサインの場合とは異なり、発熱や鼻水などの症状が見られることもあります。続きを読む -
物陰に隠れる
猫は身の危険を感じると、本能的に安全な場所に姿を隠します。室内で暮らす猫の場合、家具の裏や上、ベッドやソファの下などに体を小さくして隠れるでしょう。ストレス要因に心当たりがない場合は、体調が悪く触れてほしくないなど、病気の可能性も考えられます。
過去にストレスを感じた出来事を学習している成猫やシニア猫は、刺激に敏感です。このサインが出やすい傾向に。
安眠できていない
1日約16時間眠るといわれる猫ですが、眠るような体勢で目を開けていたり、耳を動かしたりする様子が頻繁に見られたら、安眠できていない状態と考えられます。危険を感じたときにすぐに体を動かせるような緊張状態が続くことは、たとえ危険が及ばないとしても猫にとってはストレスに。
猫は心や体の不調を隠そうとするため、愛猫のストレスに気付いていない飼い主さんも多いのだとか。日ごろからよく愛猫をよく観察し、気になる様子が見られたときは獣医師に相談しましょう。
お話を伺った先生/小野寺温先生(帝京科学大学講師 愛玩動物看護師)
参考/「ねこのきもち」2024年9月号『気付けるのは飼い主さんだけだから。不調につながる 猫のストレスサインって?』
文/長谷部サチ
※記事と写真に関連性がない場合もあります。続きを読む - 記事一覧に戻る